トップページみつばちコラム > 巣門前の大量死〜日本みつばちと農薬問題〜

巣門前の大量死〜日本みつばちと農薬問題〜

2021年に園内に設置した4号群。
分蜂後初期にアカリンダニの発生を確認し、その後メントール処方でなんとか復活しつつあった矢先でしたが、ここ数日に巣門前に大量の死骸が観察されるようになりました。

今日だけでも20匹ほどの死骸が確認できました。
症状としては、多少の痙攣をする個体や、ガクガクブルブルと体を細かく震わせて、そのままひっくり返ってしまう個体も観察できます。
これは、たぶん農薬散布(除草剤)による症状と考えられます。写真でわかるように「舌」を大きく出して死んでいます。これが農薬死の特徴です。

日本みつばち大量死の原因は大きく分けて2つあります。
一つは「農薬被害」、もう一つは「餓死」と言われています。

特に、一番危険なのは田んぼでの農薬散布です。
この6月は、コメ農家による病害虫予防農薬散布時期となります。コメ農家が散布する農薬こそ、ネオニコチノイド系の農薬であり、世界的にも脅威となっている農薬なのです。
世界的なミツバチ消滅を生み出した源であり、すでに欧米諸国では、使用が禁止となっています。
日本では、未だに使用が許可されており、コロナ対策を考慮しても、いかに発展途上国であるかを思い知らされます。

日本の大切な自然や作物、穀物などを生産する大切な生き物を、その大生産者である農家が大量虐殺しているという現実です。
私の日本みつばち心の師でもある、久志富士男氏は最後まで、日本みつばち保護のための農薬廃止に尽力しておりました。

この地域では、大規模コメ農家による稲作は行われていないと思いますが、この事実は、日本ミツバチの飼育(養蜂)する方々は、知るべき事実です。
除草剤なら、数週間で収まると思いますが、みつばちのこの悲しい姿と、現在の日本の姿に心を痛めるばかりです。